「分割FRPジャケットの作り方」

成形品の原型がカーブを描いた形状で一方向から抜けない形の場合、シリコーンを薄く積層すれば捲って剥がせますがジャケットは外れません。原型を砕いて取り出せば型取りは成功します。しかし…型取り作業後に成形品を保護して取り出すにはジャケットを割る必要があります。

一個だけ作るための型だとしても無駄があり過ぎますね…。

そんな形状の型にジャケットを作る場合は「分割ジャケット」を作る事になります。先にも書きましたが、薄い積層シリコーン型は一発で作っても大丈夫だと思います。プリンと裏返しても破れない強度で作りますからシリコーンは通常通りの作業で型取りしています。

シリコーン型が出来上がった後で分割位置を考えてジャケットを作る方法を解説します。

この様に一方向から型が外れない形状の場合、ジャケットを分割する必要があります。この場合簡単に2分割すれば大丈夫なので、作業手順を優先して分割線を書き込みました。ポリジャケットの分量を半々にしたかったので表面積を考えて割りました。複雑な形状の場合は良く考えて分割します。「分割したのに外れない!」という事にならないように注意します。

シリコーンのゴム型は切りません。薄いゴム型は無理がききますから抜けます。

分割ラインに垂直に粘土の土手を立てていきます。土手の合わせ目は馴染ませて一枚板にします。土手とシリコーンの隙間は45度の角度で塞ぎます。垂直に作るとゴム型を挟み込む可能性があるのでクリアランスを作ります。

キレイに成型したらキーの穴を彫ります。丸い凹みが良いと思います。平らな穴だと気泡が入ってキレイに出来ません。ポリ樹脂と粘土の離れを良くしたい場合はバリアコートを塗っておくと良いです。

FRPジャケットの項目で説明した通りにゲルポリとガラス繊維でジャケットを作ります。粘性の高いゲルポリで土手部分を厚くしておきます。樹脂が足りなくて薄くなった場合、ゲルポリを作り直してでも厚くしてください。

一枚目のジャケットが硬化したら裏向きにして粘土の土手を外します。もう一枚のジャケットを正確な位置に作らないといけませんから、ジャケットを動かさないように注意して粘土を外します。キレイに拭き取ってしまいます。

シリコーンと土手の隙間は、こちら側も45度の角度で塞ぎます。これでシリコーンゴムを挟むことは無くなります。キーの気泡には粘土を埋めます。土手の外周に3ミリ位の高さで粘土で土手を延長してこちら側に向かってエッジを付けます。ゲルポリが向こう側に回って固まらないようにするためです。

粘度と土手にバリアコートを塗って乾燥させます。

分割ジャケット同志は絶対に固着しないように注意します。理解処理には注意してください。しつこいくらいに離型させます。くっ付いたら分割の意味がなくなり、割らないといけなくなります。

バリアコートが乾燥したらワセリンなどを筆塗りします。完全に離型させます。

こちら側のジャケットもゲルポリとガラス繊維でしっかりと作ります。垂れてきたゲルポリを塗り直す時に何度も土手部分を擦ると離型剤が剥がれて固着してしまいますから注意します。こちら側の土手も厚く作りますが、最終段階でゲルポリを塗って仕上げた方が安全です。

ジャケットが乾燥したら穴開け加工します。粘土などを取り除く前に穴を開けます。土手同志を貫通するように1ミリのドリルで下穴~2ミリで開口~3ミリで仕上げと段階ごとに丁寧に穴を開けて、ジャケットがズレないように注意します。電動ドリルだとチャック部分が大きくてジャケットに当たると思いますのでハンドドリルで行いました。組み立て用のビスを通すための穴ですが、等間隔に3~4本通せば大丈夫だと思います。1ミリの下穴を全部開けてから大きな穴開けに進みます。穴の位置がズレないようにしてください。正確に組みあがりません。

出来上がった分割ジャケット型です。

内部のシリコーン型はこんなに薄いものです。ペロペロですね。

成形品が固まったら取り付けビスを抜いてジャケットを分割します。

分割したジャケットを両方外してから成形品に付いているシリコーンゴム型を外します。ゴム型は丁寧に作業すれば破れません。複雑な形状の複製品を取り出す時には、この様にペロンと裏返して外すことも可能なのです。

モバイルサイト