5.粘土原型の最終調整

油粘土の状態では長期間形を維持できません。コアをしっかり作っていますし、食い付かせてはいますが部屋を暖めて粘土を柔らかくして作業しますから重力の都合で動くのです。最悪の場合、パーツが落下します。油粘土は重いですからね。

手早く作業して形状を吟味して決めてしまわないといけません。大きな変更が必要なくて表面の処理だけだと判断したらポリパテ置換のための石膏取りに進まないといけません。粘土原型を仕上げるのです。

左右の耳カバーが無いので、横幅の感じが掴みにくいのです。脳内でイメージしてカバーがある状態を想像し、調整します。実物はABS製ですから、ネジ類で固定した時に生じる歪みもあります。その要素も加味してイメージしてます。左右の頬は歪んだように膨らんでいますが、意図して造形されているのか歪みなのか見極めてみたり…そんな事を考えて彫塑します。

歯が生えました。

仮に歯を入れてみたところ、受け口の感じが足りないように見えましたので下唇をボリュームアップしました。それによって顔の起伏にも影響が出ますので、表面の曲線を調整しました。

顔のボリュームを大きく変更するような調整は粘土の彫塑段階で行います。ポリパテ置換後でも裏にポリパテを盛って突き抜けないようにすれば可能ですが、何より柔らかい素材である粘土で調整した方が楽です。

油粘土の段階で完成状態と思えるまで彫塑するのが基本です。後で調整しようとすると工程が早く進みますが…良い事ではないのです。粘土のコンディションなどを考えて急ぐのも大事ですが、気になる部分は極力消していきたいです。

粘土を指で潰して厚くしたい部分に貼り付け、指で撫でて調整します。粘土は温度が上がると柔らかくなるわけですが、部屋全体を暖房で暖かくする(冬場)時の注意として粘土像本体の温度の管理があります。食い付かせる粘土の方が柔らかいのが理想なのですが、本体も長時間暖まっています。グイっと撫でた時に大きく歪む時もあるのです。食い付かせる粘土は指で温めてから使っていますし、場合によっては暖房を切って本体を冷ますなどの工夫も必要だと思います。

左コムリンクのコブは切り立ったような面取りがされています。エッジは丸いのですが、平坦に見える面が隣り合っているのが影の様子で分かります。右コムリンク側は丸いのです。右側に合わせて粘土の塊をナイフで切って造形したのだと思います。角部分を撫でて丸くしたように見えます。見逃さないようにしたい部分です。

そんな作業の積み重ねで似せて行くのです。

両頬と鼻筋で波状の起伏がるのがトルーパーなのですが、この波の角度が大事なんです。計測して高さで合わすだけでは似て来ません…。兎に角、曲線の多いデザインで難しいのです。

歯の上下で波のパターンが違うわけです。その違いで多少受け口に見えるのですが、やり過ぎると似ないのです。平面的な考え方で波のパターンを変えても無理で、ボリュームごと考えて調整しないとダメなのです。

ゴーグルの上端も歪みがあるようですから再現しておきます。このような微妙な要素を見逃すと似て来ません。

そんなこんなで…粘土原型作業の終了です。

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